水道民営化を含む水道法改正案が衆議院で可決されました。
水道民営化によって我々市民は「水道料金が高くなるのか?安くなるのか?」は大変気になるところです。
そもそもなぜ水道民営化がなされるのか?
水道民営化のメリットとデメリットと合わせてご紹介します。
Contents
なぜ水道民営化がされるのか、その理由とは?
水道民営化に反対だ。
国民に何のメリットもないどころか水道料金が大幅に上がるだけのデメリットしかない
全国自治体は地震や水害の際、被災地に無償で給水する協定を結んでいるが、民営化後にその協定の保証はないのだ蛇口をひねればキンキンに冷えた国産生ビールでも出てくれればよいのだが・・ pic.twitter.com/48O5yPqk7z
— 京浜急行の浦島太郎 (@winchangyo) July 17, 2018
日本では、2016年度の上水道普及率は97.9%であり、これは、ほとんどの住居に水が供給されていることを意味します。
また、日本の水道水の品質は世界でもトップクラスといわれており、水道水が飲める数少ない国のひとつです。
しかし、この素晴らしい水道設備を維持するために莫大なお金がかかっています。
また、今後日本の人口は大幅な減少が見込まれており、地方などでは水道運営費を維持できないといわれています。
そこで、かつての国鉄や郵便局のように、民間の力で維持していこうという考えが生まれたために、水道民営化に踏み切ったわけです。
[box class=”green_box” title=”ポイント”]
- 水道設備の維持には莫大なお金がかかる
- 人工の減少で水道運営費が維持できない自治体も出てくる
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水道民営化ですが、我々にとってのメリットとデメリットで何なのでしょうか?
水道民営化のメリットとは?
水道民営化のメリットから見ていきましょう。
まず、我々にとっての最大の恩恵は、水道料金の値下げの可能性です。
現在の水道設備は主に地方自治体が運営しています。
そのため、水道料金の改定にはあまり熱心ではありません。
また、サービスレベルの向上にも熱心ではありません。
しかし、民間企業というのはまず第一に利益を考えています。
そのため、企業はみなさんに水道を利用してもらい収入を得ようとします。
そうなると料金が高くてはお客さんは利用をしてくれません。
なので、料金は下がると見込まれます。
また、キャンペーンなどお得なサービスなども登場するのでは?と予想します。
企業によって契約を取るためにあの手この手を考えてくるはずです。
次に地方自治体からのメリットを見ると、運営費の削減が期待できます。
さきほども述べた通り、水道設備は地方自治体が運営しています。
また、こちらの財政は現在非常に苦しく、今後も人口減少によりこの状況はますます深刻になるばかりです。
もし民営化が行われれば水道設備の費用負担がなくなります。
会社は民間企業に当たるため、法人税の支払いも必要になります。
そのため、地方自治体の財務状況が改善する、という流れが見込まれるのです。
水道民営化のデメリットとは?
【水道民営化の行く末】コチャバンバ水紛争とは? https://t.co/bn0VW1IBe5 @YouTubeより いろんな事件や災害の裏で日本の国宝資源「水」が民営化されようとしてますね。どんな問題が起こるかボリビアの例が出ていたのでこれからの日本がどうなるか見えてくると思います。
— 世志男 (@seshiospd) July 17, 2018
次に水道民営化のデメリットです。
水道民営化は良い面も多いのですが、デメリットもあります。
まず、水質の悪化の可能性があることです。
企業というのは利益を追求するため、利益を生み出さないことには興味がありません。
例えば、コストを削減するために、浄水場での消毒する薬品を変更したりするかもしれない、といったことです。
極端ですが、知らないうちに人体に無毒とは言えない消毒液に変更する可能性もないとは言えません。
そうなれば、病気にかかる人が増えてしまいます。
設備に関しても同様です。
上水道管の点検を怠ることによって、水道管が破裂したりして道路が浸水、設備の不具合により断水、蛇口をひねると砂や寄生虫が流れてくるといったことも想定されます。
特にそんなことはありえないなどと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、約30年前に水道民営化が実施されたイギリスでは実際に発生しています。
このように水道の変化は日常生活に大きな影響を与えます。
水は人間にとってなくてはならない存在であり、料理やトイレにお風呂と幅広く使われているためこのデメリットは大きなものです。
水道民営化によって水道料金は高くなる?安くなる?

メリットとして民間企業になることにより、効率化が図られて料金が下がることが見込まれると申し上げました。
しかし、それはただの宣伝としてかもしれません。
民間企業に変わったことで、料金が下がるとイメージの向上につながるためです。
また、現状維持である可能性もあります。
当面のところは、水道料金は値下げor現状維持でしょう。
しかし、将来的には値上げが必要になると思われます。
今までは、税金が投入されていたことにより赤字であっても高品質な水道設備を維持することができていましたが、民間企業では赤字の事業は改善をしなければなりません。
そのため、予算を確保するために、利用者に対して値上げを実行します。
そうなれば、ひょっとすると日本ではお風呂に入るという文化が日常のものではなくなるかもしれませんね。
水道民営化に対するネット上の反応
水道民営化まとめ
仏ヴェオリアが水道民営化した愛媛県では料金が倍になっている。
市の職員は気付いた人が騒ぎ出したのでHPを削除し、
「そんな事実はない」と白を切ったが、
ネットのアーカイブにちゃんと削除前のデータが残っていた。
水道民営化にメリットなど存在しない。断言できるよ。 pic.twitter.com/34TIl9h5n7— あべしっ (@ryouma3da) July 15, 2018
水道民営化は地方自治体にとって運営費の削減というメリットがあります。
我々市民にとっての果たしてメリットはあるのでしょうか?
正直、水道民営化前と後とで水質が変わらなくて、水道料金もかわらないのであれば、そんなに関心は持たれないでしょうし、気にする人も少ないはずです。
しかし、もし水道料金が値上げしたり、水質が悪くなったりすると、たちまち「水道民営化は失敗」と叩かれるでしょう。
民間企業で運営する以上、営利を目的にするのは当然と言えば当然です。
企業の利益のために我々市民が悪い影響を受けるということだけは避けてほしい、と願うばかりです。
水道民営化のこれからの動向が気になりますね。