水道事業の民営化が生活に与える影響と諸外国の失敗事例

時事ニュース

水道事業の民営化が可能になる「水道法改正案」が可決される模様で、いよいよ日本も水道民営化が現実のものとなりつつあります。

そこで今回は、

  • 水道事業の民営化が生活に与える影響
  • 諸外国の水道事業の民営化に失敗事例

について見ていきたいと思います。




 

水道事業の民営化が生活に与える影響とは?

水道事業の民営化によって我々の生活にどのような影響があるのでしょうか?

考えられる3つをご紹介します。

 

水道が民営化されれば料金が異常に跳ね上がる

現在の水道はすべて地方自治体による運営です。

これは水というものは生活ばかりか生命の維持に必要な必要最低限のライフラインという考え方のもと、水道料金だけでなく税金も投入されて水道事業に関わる運営をされています。

 

この考え方により、水道料金は他の公共料金に比べて比較的低額に抑えられているのです。

 

しかし、民営化されて営利企業による運営になると、その企業の「利益」が第一になります。

そして、公的な補助もなくなります。

つまり、水道の設備に維持や更新にかかる費用のコストがそのまま利用者にかかることになり、必然的に水道料金が上がります。

海外で水道が民営化された都市の例を見ても、水道料金が4~5倍になったというとんでもない事態になっているところもあるのです。

 

社会的弱者が水道を使いづらくなる

現在、水道は地方自治体による公営であり、公共財です。

水は生命維持のためにも最低限必要不可欠であるという考えがあるため、他の電気やガスなど民営で運営されるところと違って「福祉的観点」が徹底されています。

 

たとえば、もしも電気やガスなどの料金を払えなければさまざまな警告がありますが約50日くらいで供給が止まるそうです。

水道の場合は比較的それよりも長く、短くても2ヶ月、長くても4ヶ月くらいだそうです。

その間も督促状のほか電話や職員による訪問などもあり、自治体によっては払えない理由により福祉担当につないでくれて善処してくれるところもあります。

 

また、自治体によりますが生活保護などの福祉的給付を受けている人に対しては水道・下水道料金の「減額・免除」が出来るところもあります。

 

これらは水道事業が「公営」だから出来ることなのです。

もし民間企業の運営になれば、こういう制度の対象からはずされてしまい、「お金がなければ水さえ飲めなくなる」と言う悲惨な事態も発生しかねません。

 

水道の安全、安心が壊される

水道が民営化されて営利主体の運営になると、企業の論理による「コスト感覚」で水の「安全・安心」が損なわれる危険があります。

 

今、全国的に水道管の老朽化や大地震などの対策が急がれています。

水道管の耐震化や更新工事には多額の費用がかかりますが、営利企業になったら「コスト削減」により欠陥構造の水道管が作られる危険があります。

つまり大地震が発生した時に今まで以上に水道管の破壊が多くなり、長期間の断水を余儀なくされるでしょう。

 

また、営利企業の経営の都合で復旧が大幅に遅れることも考えられます。

浄水場などの設備の維持管理も低下する恐れがあり、水道水の水質が低下する危険もあるのです。

 

これでは安心して水を飲めなくなります。

 

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ここで挙げた3つはあくまでも可能性の話ではあります。

しかし現実問題水道事業が民営化されれば起こるかもしれないことで、課題として挙げられている点です。

 

本当に水道料金が高くなって水質が落ちたりすると、それこそ本末転倒ですね。

 



 

諸外国の水道事業の民営化の失敗事例

日本よりいち早く水道事業を民営化させた国があります。

諸外国で水道事業を民営化させたことによって起きた問題を失敗事例として紹介します。

 

ボリビアでの事例

1999年に水道を民営化したボリビアでは、水道事業を請け負ったアメリカの企業により水道料金がつき10ドルから20ドルに一気に2倍に値上げしました。

それに耐えかねた市民が大規模なデモを起こし、その結果200人近い死傷者が出たそうです。

またボリビアの自治体がその水道企業に契約解除を申し入れると、その企業は高額の違約金をその自治体に請求してきた、ということも起こりました。

 

フィリピン(マニラ)での事例

1997年にフィリピンのマニラで水道を民営化しましたが、アメリカの企業により水道料金が4~5倍になり、低所得者は水道を使えなくなりました。

水道が使えない人達は不衛生な井戸水に頼るしかなくなり、コレラなどの伝染病が増加しました。

 

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このように水道事業の民営化が失敗した国があります。

日本ではここまで酷い事態になることは考えにくいですが、水道料金が跳ね上がったり水が元で病気が蔓延するとなると事態は深刻です。

 

これらの課題を日本ではどのように克服するのでしょうか?

その対策法案も練られることと思われます。

 

【関連記事】
水道民営化のメリット・デメリットまとめ

水道事業の民営化に対するネット上の反応

水道事業の民営化に対するネット上の反応を見てみましょう。

 

恐怖の法案ですよ、麻生利権水道民営化法は。
政治色出さない私もこの水道民営化法案は本当反対なんだよなぁ…。つか国民に真意を問わないの?水はライフラインだよ?最も最悪、国民が死ぬ法案ではないのか??
水道民営化は いままでの安倍政権の施策と方向性が違うと思うのだが、、 かしこい人に教えて欲しい
水道民営化法案、強行採決…トイレ流せない、風呂入れない、洗濯出来ない…
水道民営化立ち消えになってたと思ったらなってなかった。公約で出してた事なの???未来世紀ブラジルの世界がやってくる〜井戸水エリア探さなきゃ
水道民営化でマッドマックスの世界みたいになったらウケるんだけど。 ウチは井戸が二個あるし、トイレの水くらいは井戸水使うのもありかな。
水道民営化の前に元いた会社の株でも買っとくかな
水道民営化。自治体の選択肢が増えたってことらしい。なんでもかんでも民間がいい、といいそうな変な政党の首長や議員をうっかり選ぶとえらいことになりそう。

 

出典:Twitter

 

水道事業の民営化が与える生活への影響まとめ

水道事業が民営化されることによって考えられる生活への影響3つ。

  • 水道料金が跳ね上がる
  • 社会的弱者が水道を使いにくくなる
  • 水道の安心、安全が壊される

諸外国の水道事業の民営化失敗の事例

  • ボリビア
  • フィリピン(マニラ)

をここでは紹介しました。

 

我々の生活ばかりか、生命の基本をつかさどる「水」。

その水を営利企業の儲けの道具にしていいのでしょうか?

水道は公営だから、安心・安全で低額で利用できているものです。

 

もしも水の供給がお金のあるなしで差別されるようであれば、人権どころか生命に関わる問題です。

海外での失敗例をろくに考えずに、しゃにむに水道の民営化をして誰が得をするのでしょう?

儲かった企業だけ得して、利用する一般市民の生活を苦しめるかもしれない…

その懸念もあるのです。

 

水道事業の民営化によって得するのは、ごく一部の海外の外資系企業だけだとも言われています。

私達の命の水を守るために声を上げる必要があるかもしれません。